系統的消滅 ── 中心化は、回折に指紋を残す

中心化(C・I・F)は、実空間で格子点を増やすだけじゃない。X線回折のパターンにも痕跡を残す
本来あるはずの反射 hkl のうち、ある種のものが ちょうど打ち消し合って消える。下で格子の心を切り替えて、消える点(薄いゴースト)と残る点を見比べてみて。l の層も変えられるよ。

格子の心: 層 l:
消え方を読むと、心が当てられる
実空間に増えた中心化並進は、逆空間(回折)では「ある反射を消す」という形で顔を出す。中心化による条件(積分反射条件)は、こうだ。
P:条件なし。全部の hkl が残る。
C(底心):h+k が偶数のときだけ残る。
I(体心):h+k+l が偶数のときだけ残る。
F(面心):h,k,l が全部偶数 or 全部奇数のときだけ残る。

だから、写真に写った反射の「消え方」を逆に読むと、その結晶の心(P/C/I/F)を当てられる。これが、中心化や映進・らせんを学ぶ大きな理由のひとつ ── 対称は、実空間の模様だけでなく、回折にも現れる
(映進面・らせん軸は、特定の列・面の反射だけを消す。ここでは中心化に絞ってある。)

つながる先 → 心(centering)空間群エクスプローラー(教材用)