コレクタ共振回路では、電源とタンクの間に 入力チョーク Lch が座っている。地味な部品だけれど、言い分がある。チョークは直流電流 ich を ならして 注ぎ込む ── つまり「電流源のふり」をしてタンクに給電する。だから VCE のピーク ≈ π·Vin が立つ。
主役つまみは Lch だ。大きくするとチョーク電流のリップル ΔIpp が小さくなり、なめらかな直流電流源になる。小さくするとリップルが暴れ、やがて ich が負まで振れて逆流する ── そうなるともう一方向の電流源ではない。おもしろいのは、それでも Vpk はほぼ π·Vin のままなこと。チョークのボルト秒平衡(平均|v|=2Vin)が Lch に依らず成り立ち、良く効くLCタンクが電圧波形を守るからだ。崩れるのは電圧の山より先に 電流の質 の方。
画面は実測オシロ風にした。3本のトレースは実機の慣習色 ── ch1 v_CT(黄・チョーク出口=センタタップ電圧)、 ch2 i_ch(シアン・チョーク電流。リップルと逆流を見る)、 ch3 v_tank(マゼンタ・タンク差動電圧。±π·Vin に乗るか)。 V/div と time/div は 1-2-5 の段階スイッチで手動固定にしてある ── だから Lch を回すとリップルが絶対的な大きさとして伸び縮みする(勝手に縦軸が伸縮しない)。波形が枠から出たら AUTO で一度だけ合わせ直せる(実機の AutoSet と同じ)。左上の回路図の色付きプローブが、どの色の線が回路のどこを測っているかを示す。
チョークの言い分は4つある。