チョークの言い分
入力チョーク Lch を回して、その4つの役割を目で見る
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コレクタ共振回路では、電源とタンクの間に 入力チョーク Lch が座っている。地味な部品だけれど、言い分がある。チョークは直流電流 ich を ならして 注ぎ込む ── つまり「電流源のふり」をしてタンクに給電する。だから VCE のピーク ≈ π·Vin が立つ。

主役つまみは Lch だ。大きくするとチョーク電流のリップル ΔIpp が小さくなり、なめらかな直流電流源になる。小さくするとリップルが暴れ、やがて ich が負まで振れて逆流する ── そうなるともう一方向の電流源ではない。おもしろいのは、それでも Vpk はほぼ π·Vin のままなこと。チョークのボルト秒平衡(平均|v|=2Vin)が Lch に依らず成り立ち、良く効くLCタンクが電圧波形を守るからだ。崩れるのは電圧の山より先に 電流の質 の方。

画面は実測オシロ風にした。3本のトレースは実機の慣習色 ── ch1 v_CT(黄・チョーク出口=センタタップ電圧)、 ch2 i_ch(シアン・チョーク電流。リップルと逆流を見る)、 ch3 v_tank(マゼンタ・タンク差動電圧。±π·Vin に乗るか)。 V/div と time/div は 1-2-5 の段階スイッチで手動固定にしてある ── だから Lch を回すとリップルが絶対的な大きさとして伸び縮みする(勝手に縦軸が伸縮しない)。波形が枠から出たら AUTO で一度だけ合わせ直せる(実機の AutoSet と同じ)。左上の回路図の色付きプローブが、どの色の線が回路のどこを測っているかを示す。

セルフテスト実行中…
Vin Lch ch2 i_ch ch1 v_CT Ld Cr ch3 v_tank Q1 Q2 Rload

チョークの言い分は4つある。

  1. 直流電流をならす(リップルを小さく=電流源のふり)。
  2. タンクの電圧の山を電源から隔離する(電源には平らな直流だけ)。
  3. タンクの高周波を電源線に返さない(インピーダンスの壁)。
  4. その代わり、エネルギー W = ½·Lch·Ich² を抱える ── 故障時にはこの分の逃げ場が要る。